仙骨とは、身体のちょうど真ん中・・・骨盤の中央にあり、背骨の下端に位置する骨です。
仙骨の 「 仙 」 の字は、仙人、仙薬、神仙、などと使われているように、不老不死や、不思議な力などを表す文字です。
フランス語では、sacreが、「仙骨の」、という意味です。この言葉は、ラテン語のsacrum 、「聖所」という言葉を語源に持ち、「神聖な」、「聖なる」という意味でよく使われる言葉です。
ドイツ語では、kreuzbein。
beinが「骨」で、kreuzは、「交差点」、「キリストの架けられた十字架」という意味があります。
また、英語では、やはり、sacred boneやsacrum、と書くようです。
なぜ、このように仙骨が神聖視されたのかについて、 福岡大学教授宮野成二氏編著の 『 造語方式による医学英和辞典 』 (広川書店刊)に次のように興味深い諸説が出ています。
昔から、仙骨の神秘的で重要な働きは知られていて、このような名に残っているものと思われます。
また、徳川幕府の御殿医として名高い、昔の鍼医者も、「究極的には、仙骨を治療しなければ、本当に人間を治療することはできない」と言ったそうです。
ただ、仙骨は、全身のキー・ポイントといってもいい働きをもっている精妙な器官ですから、既成概念を超えた高い理解力がなければ、触れてはならない禁断の領域だったのです。
厳密な療法が開発されるまでは、仙骨の変位を正確に診断することも治療することも不可能で、それこそ聖なる領域として、謎に包まれていたといっても いいのです。
赤ちゃんの仙骨をレントゲンで見てみると、横に五つに分離しているのが確認できます。それが成長につれて少しずつ融合していきます。
大人になると完全に形成されますが、うねるように動きます。それを横に5つ、縦に4つに分けて変位を読み取り、治療を行なっています。
右図はその変位の一例です。実際には限りなく無限に近い変位が見られます。
骨は硬い一枚の骨と考えられていましたが、日常の生活の中で変異してしまうことが明らかになってきました。 仙骨が変位する原因は「外傷的原因」と「精神的原因」の二つに分けられます。 これらの変位により、肉体的にも精神的にもマイナス減少が現れます。 この仙骨の変位を元に戻すことで、仙骨本来の機能を高め、精神的・肉体的な機能も高ます。
様々な心の問題や精神的ストレスは外傷的原因以上に仙骨の変位を引き起こします。